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2013年4月24日、バングラデシュの首都ダッカ郊外にある「ラナ・プラザ」

という8階建てのビルが崩壊し、1138名が死亡、2000名以上が負傷しました。

このビルには、ザラやマンゴ、ベネトンといった大手ブランドの下請け工場が5つ入っており、

死者の多くは縫製工場の労働者でした。ビルが崩壊する前の日から、労働者たちは壁にひびが

入っているのを知っており、多くの労働者が崩壊当日も工場内に入るのを拒否していました。

しかし、入らなければ月給を払わない、解雇するなどの脅しもあり、

労働者たちはその日も働かざるを得ず、ビルの下敷きとなったのです。

 

衝撃的な事故も、数か月もすれば、あっという間にたくさんのニュースに流され、記憶の彼方へ。

でも、これは氷山の一角。今この瞬間も、バングラデシュや中国などの生産現場では、不当に安い賃金、無茶な納期のため休日も休憩もほとんど与えられない環境、防災などの安全性が全く配慮されて

いない工場など、劣悪な環境で働かざるを得ない人たち(そして子どもたち)がいます。

 

彼らの日常と、私たちの日常は関係ないのでしょうか?

私たちの周りには、信じられないほど安いモノに溢れています。そして、その多くが海外のさまざまな国から届けられています。安いことは必ずしも悪いことではないけれど、

安さの裏にはさまざまな理由があります。

一番負担を強いられるのは、生産現場で働いている労働者たち。

この状況を変えられるのは、モノを買う側にいる私たち。

 

私たちは、毎日たくさんのモノを消費しています。子どもたちも、その一人です。

私自身にも、3人の子どもがいます。

子どもたちが、こうした状況について、難しい勉強や説明でなく、

絵本を通して楽しく学ぶことができたらいいなと思い、この絵本を作りました。

自分が食べ、使っているモノが、どんな所から来て、誰が作っているのか・・・・、

そんなことを親子で考えるきっかけになれば、と願っています。

 

宮原桃子

 

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